わたしの実父が高齢になってから一人暮らしをしていました。
一人暮らしをはじめて3年という短い一人暮らしの期間は父の死により突然終わりました。
そして、残されたのは汚い部屋、いわゆる汚部屋です。
本人も大変だったと思いますが、残された家族もかなり大変でした。
【体験談】高齢男性の部屋が汚い部屋になる理由
高齢男性が一人暮らしをすると汚い部屋になる理由
汚い部屋になる理由
- 高齢男性の自信は当てにならない
- 高齢男性はゴミの分別が出来ない
- 一度ゴミ屋敷となるとゴミを捨てなくなる
- 汚い部屋であるのを見られないように家には誰も入れない
- ごまかすために平気で嘘をつく
- 昼夜逆転の生活
- 近所つきあいをしない
- 物を捨てるのを嫌がる
- 無駄な買い物が多い
- 整理整頓が苦手
- 病気
一人暮らしになっても綺麗な部屋を維持して問題なく一人暮らしをされる高齢の男性もいます。
ただ、わたしの父の一人暮らしは問題だらけでした。
その中の1つとして汚い部屋の問題があり、上記の理由により汚ない部屋になってしまいました。
具体的にどのようなことなのか以下に解説していきます。
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1.高齢男性の自信は当てにならない
1つ1つのことはそれほど難しくないことでも、総合的になると難しいかったり、出来ないことが続発するからです。
具体例
わたしの父は、若い頃に会社の寮で生活していた経験というのがあり、身の回りのことは一通りできるという自信がありました。
40年以上前の話ではあるけれど、洗濯だって出来るし、料理だって出来るし、お風呂は温泉に行くから大丈夫という父。
1つ1つ出来ることは知っているので、大丈夫だろう〜って思ってたけど、それが甘かった。
料理ができるとは言っても、わたしの知っている料理ができるの部分は、片付けだったり、洗ったりする細やかな部分はもちろん母のフォローありの状態でした。
もちろん、一人で暮らして行くわけなので、料理の部分だけして終わりとはいきません。
洗い物も食器を片付けるのもしっかり料理の部分に入ってくるわけです。
母がフォローをしてやっていた部分についてすっかり忘れていました。
母が亡くなったことで始まった父の一人暮らし。
もともと自信満々な人なので、一人暮らしについても自信満々。
そして何より手先の器用さについては兄妹の中でも承知の事実だったので、なんとかなるんじゃないなんて父の実力を過信してしまったところがありました。
でも、わたしの経験からすると、「高齢男性の大丈夫ということばは怪しい」です。
わたしのように遠方に住んでいると確認しようがないので、どうしてもそのことばを信じようと思ってしまいます。
対策
- 言葉だけを鵜呑みにするのではなく(料理や洗濯をしている様子など)現状の確認をした方がいい
2.高齢男性はゴミの分別が出来ない
ゴミの分別は地域により差がありますが、難しい人にとっては理解できないからです。
具体例
わたしの父の死後に残った汚い部屋。
その部屋を掃除してわかったことは、ゴミの分別が出来ていなかったということです。
母が生前中に使用していゴミ箱は、しっかり分類ごとに入れれるようにシールの貼られたわかりやすいゴミ箱だったのですが、そのゴミ箱の中身もめちゃくちゃでいろんな種類のゴミが乱雑に入っていました。
燃えるゴミ、燃えないゴミの仕分けはもちろん、カン、ペッドボトル、いらなくなった電化製品など。
ありとあらゆるゴミがごちゃ混ぜ状態です。
それでは、ゴミが家に溜まってしまいますよね。
ゴミの出し方については、近くに住む兄妹から指導を受けて理解していると思われましたが違いました。
とりあえずは部屋の中にゴミをためていった。
部屋がいっぱいになると廊下へ、また横の部屋へとためる、ためる。
そして、部屋はごみだらけとなった。
そんなことが予想出来る部屋となっていました。
ゴミをどう出すのかは市町村によってゴミの出し方や曜日は違います。
高齢になってから突然ゴミの分別をやれ!!と言われても、なかなか難しいものがあります。
対策
- ゴミの分別は高齢男性にとってはとても難しいもの
- 家族のサポートが必要
- ゴミ出しサービスを利用する
3.一度ゴミ屋敷となるとゴミを捨てなくなる
適当になり出すと気にしなくなってしまうからです。
具体例
父の汚い部屋のゴミの下の方には分類を頑張ったであろう袋に入ったゴミが発見されました。
でも、上の方は、もう適当でありとあらゆるところにゴミが散らばっています。
人間出来なくなるとどうでもよくなる…そういう傾向があるようです。
ただ、袋に入れてゴミに出すだけ、それだけのことなのだけど、それが難しい。
そのためにも、部屋を一面にゴミにしない。
これは大事です。
対策
- 床が見れないくらいのゴミが溜まってしまうと汚い部屋へ加速するので、床が見える状態をキープすることが大切です
- 家族のサポートが必要
- ゴミ出しサービスを利用する
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4.汚い部屋であるのを見られないように家には誰も入れない
事実を知られないようにするからです。
具体例
誰かが家の中に入ればすぐに汚部屋とわかるのだけど、散らかっているから、掃除が出来ていないから、ほこりだらけだからという理由で家の中に入れないことで周りからは気づかれないようにしたわたしの父。
わたしが帰省した時にも「部屋の掃除ができていないから」と入れてもらえなかったので、部屋の中の様子が全くわからなかった。
多少は汚いだろうとは想像していましたが、あそこまでひどい汚い部屋になっているとは思っていなかったので、確認に行けば良かったと反省する部分です。
後ろめたいことがあるから入れたくないという気持ちはわかるのですが、現状を確認する一番の方法は自分の目で確認するということです。
わたしは、その機会を逃してしまうように行動していたので現状確認ということで見せてもらうように交渉する必要はあったなと今での後悔するところです。
対策
- どんなに汚ない部屋でもいいので現状を把握できるように家族が努めることは大切
5.ごまかすために平気で嘘をつく
心配させたくないのと、現実を知られたくないからです。
具体例
- 何も問題なく過ごしていると嘘をつくのが上手い
- 食事も手作りで作っている
- 掃除も適度にはしている
- ゴミも問題なく出せている
- 洗濯もあんなの簡単
- 日常の生活を問題なく過ごせていると自信満々に語る
信じたい部分もあり信じてしまうけれど、やはり自分の目でしっかり確認するのが大切だと思います。
対策
- 言っていることを信じるのは、現状を見てからにする
6.昼夜逆転の生活
誰も注意する人がいないので自由に過ごすようになるためです。
具体例
不規則な生活になり困るのは、昼夜逆転の生活になってしまうことです。
そのため、大きな問題となるのがゴミだしの時間にゴミを出せないということです。
24時間ゴミ出しOKとなっているとこと以外では、朝の決まった時間にゴミを出します。
これが高齢男性には難しいのです。
昼夜逆転の生活をしている高齢男性にとっては朝のゴミ出しの時間に起きれないという問題が立ちはだかります。
起きたときにはゴミをもう出せない時間になってしまっているとゴミは出せず家に溜め込むことになりますよね。
これは、わたしの父も出そうとして準備されている袋がゴミの山の下の方から発見されました。
昼夜逆転の生活というのが、ゴミ屋敷の一歩を踏み出してしまうきっかけとなる大きな問題になってきます。
対策
- 規則正しい生活が出来るようにサポートする
- ゴミを出すのを手伝ってあげる(近くに住む家族がいた場合)
- ゴミ出しのサービスを利用する
7.近所つきあいをしない
家に誰かを呼ぶというようなつきあい方をしないので、家を綺麗にする必要がないからです。
具体例
わたしの父はもともと人を家に呼ばないタイプの人ではありませんでした。
昔は来客者もかなりいたし、父の友達が遊びにくるということも多かったです。
ところが高齢になり、つきあいが減っていく。
そしてつきあいの多かった母が亡くなり、ますます孤立していきました。
もともと近所つきあいが得意なタイプではないのも影響したと思われます。
訪問者が多い家は、人の目があるので、綺麗にするように心がけたりします。
近所つきあいがないので、汚部屋でも気づかれないので、そのまま維持されてしまいます。
対策
- 家族が家に遊びに行くようにする
8.物を捨てるのを嫌がる
物を捨てれないためにものが増えてしまうからです。
具体例
わたしの父は、物を捨てるのを嫌がる人でした。
物を捨てれない性格が災いして、必要ではなくなった時に処分するというのがもともと苦手な人。
「捨てたら駄目」というのが口癖のような人でしたが、だからといって自分で片付けたりはしません。
それがあったことすら普段は忘れていて、時々思い出して「あれ何処にある?」なんて言う人。
時々思い出して「出せ」なんていうから母も捨てられないためにいらないものであふれてしまいますよね。
そんなことが母の生前からありましたが、母が亡くなったからといってその性格はすぐには変わりません。
溜め込むタイプの人は、溜め込むままなんです。
ため込むタイプの人は部屋が片付きません。
それをしっかり使用するのだったら物を大切にする人なのですが、使わないから問題です。
片付けが苦手な人は物が捨てれない人が多いですよね。
対策
- いらないものというものがわかるようにすることが大事
- 掃除のサポートをする
- 掃除などのサービスを利用する
9.無駄な買い物が多い
無駄な買い物をするとものが増えてしまうからです。
具体例
片付けてくれる人がいたから、無駄な買い物をしても綺麗に片付いていました。
ところが昔と同じ感覚で物を買うと、自分で置き場所をみつけなくてはいけません。
でも、買った物の管理も人任せだったので、どうしていいかわからない。
仕方ないからその辺に積み重ねていくようになる。
そして、必要なものが見つからないから新しく同じもの買う。
また、物を探せないので、見つからないから買うの繰り返しでものが増え続けていきます。
わたしの父も、ハサミがいろんなところからいっぱい出てきました。
1つあればことたりるものでもいっぱいある状態でした。
それでは部屋は片付かないですよね。
対策
- 部屋を綺麗に掃除をサポートすることで、物がどこにあるのかわかるようにする
- 新たにものを増やさないように家族が注意する
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10.整理整頓が苦手
根本的な物の片付け方を認識していないからです。
具体例
- 綺麗に片付けるということが苦手で捨てるものを捨てれない
- 無駄な買い物をしないなど、基本的なルールを理解していない
- 物は増える一方だけど、どうして片付ければいいのかわからない
- 必要なものが見つからずに、また買うという悪循環が生まれ、また物が増えてしまう
汚い部屋になるのは、ゴミの問題が一番大きいです。
そのため、整理整頓をこまめにすることも大切です。
掃除が苦手な人は無駄に物を増やさないこれに限ると思いますが、なかなか上手くいかないのが高齢男性です。
対策
- 定期的に部屋の掃除のサポートをする
- 掃除などのサービスを利用する
11.病気
高齢になると持病を抱えながらという人が増えてくるからです。
具体例
わたしの父は事故の後遺症で腰を痛めていたので生前最後にあった時は歩くのがつらそうでした。
また、少し認知の方にも問題があったのかもしれません。
わたしの父に限らず、高齢になるとどうしても体の何処かに病気を抱えながらの生活になります。
今までは、楽に動けていたのが、動くのにしんどさを感じるようになると何をするのも面倒に感じてしまいます。
掃除が好きだった人、片付けが好きだった人も体の不自由さが出てくると億劫になってしまったりします。
若い頃のようにはいかず、時間をかけてでもやろうという人はいいですが、もともとわたしの父親のように片付けが出来ない人にとっては、片付けは後回しになってしまうものです。
そのため、汚い部屋が加速してしまうということがあります。
対策
- 掃除のサポートをする
- 掃除などのサービスを活用
高齢男性の部屋が汚い部屋になるのを防ぐメリットとデメリット
高齢男性の部屋が汚い部屋になるのを防ぐメリット
①定期的に現状の把握ができる
どのように1人暮らしの生活をしているのかと言うのはわかりにくいからです。
汚い部屋にならないように定期的に訪問したりして現状を知るということは、他の情報もいっぱい同時にGETすることができます。
何より、定期的に現状を把握できるというのはとても大切なことなんですよね。
②汚い部屋になるのを防げる
汚い部屋になってしまってからの片付けというのは、費用的にも大変大きな金額になるからです。
汚い部屋になってしまってからの部屋といのは、何処から手をつけていいのかわからない状態になっています。
そのため、ほぼゴミの中に必要なものが埋もれている状態なんですよね。
全部スパッと捨てるだけなら楽なのだけど、そのごくわずかの必要なものを残さないといけないというのが面倒なところです。
何処に必要なものがあるのか分かる状態であるというのは、大きなメリットがあり、部屋として機能している状態ならその場所がわからなくても探しやすい状態にあります。
③ショックを受けなくていい
父親が終の住処とする家が汚い家という現状をまのあたりにすると大きく心を傷つけてしまうからです。
汚くなってしまった足の踏みどころもない部屋の何処で寝てるのだろう?何処でご飯を食べてるのだろう?と想像しても出来ないような部屋というのを見る衝撃はとても大きいです。
大きなショックも受けるし、どうしてこのような部屋になってしまうのかを考えるのを嫌になってしまいます。
ショックを受けなくてもいいというのは大きなメリットです。
高齢男性の部屋が汚い部屋になるのを防ぐデメリット
①大変
定期的に訪問しようとすれば、遠方な金銭的にも大きな負担となるし、何かのサービスを利用するにも料金がかかってきます。
わたしの父親のように一筋縄ではいかないようなタイプの人だと、関係を維持して行くというのも大変です。
仕事をしている人や子育て真っ最中の人は、日程の都合をつけるのも大変です。
そして、掃除を手伝うとすれば、時間も必要になってきます。
対策
兄弟や姉妹がいるのであれば、1人で全部を負担しなくていいようにしましょう。
金銭的な部分でも兄弟姉妹で負担したり、親に負担してもらえるのであれば、負担してもらいましょう。
②嫌な思いをする時もある
綺麗な部屋を維持するためには、不必要なものは処分したり、新しくものを増やさないということが必要になってくるからです。
具体例
- 物を捨てるのを極端に嫌がる人にとっては、処分する人は嫌な人としてうつってしまう
- 自分の買ったものに対しても意見ばかりする人も良く思えない
気鋭な部屋を維持するために取る行動に対しての理解が得れるとは限らない部分があるからです。
そのため、良かれと思ってしていることが悪い方にばかり取られてしまい、嫌な思いをしてしまうということがあります。
対策
家族では敵視する人も第三者には好意的だったりする場合があるので、お金はかかりますがサービスを利用するなどを利用する。
兄弟姉妹からも部屋の片付けの必要性をフォローをしてもらう。
まとめ:【体験談】高齢男性の部屋が汚い部屋になる理由
この記事では、「高齢男性の部屋が汚い部屋になる理由について」紹介しました。
どうせなら、衛生的な部屋で一人暮らしをしてほしいと思うのが家族の気持ちです。
ですが、なかなか高齢の男性の一人暮らしは難しいものがあるようです。
わたしの父はかなり手先の器用な人だし、料理も得意だったので安心しきっていました。
家族を安心させるためには、嘘もやっぱりあります。
後で蓋を開けてみて、「びっくり!!」ということがないためにも早めに対策を考えた方がいいと今更ですが、思うらぴももたんでした。
あなたがらぴももたんと同じような体験をされないといいな〜と思います。
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